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部屋で孤独死があったことを隠して退去手続きはできるのか?

特殊清掃
2022年05月17日

部屋で孤独死があったことを隠して退去手続き

孤独死や自殺の事実を伏せて退去手続きをしたらどうなるか?

孤独死異臭|上手く隠したつもりでも必ずバレる

不動産管理会社だったか大家さんだったか定かではありませんが臭気チェックの依頼が入った。

リフォームも済んで後は新しい入居者が決まるのを待つだけという場面です、具体的にどんな臭いなんだと聞くとゴミ臭のような気もするしともかく不快。

ただ窓を開けたり換気すれば臭わないけどしばらく経つとかすかに湧き上がってくるという感じ。

ともかく現場へ向かう(この場合は『臭気チェック』という依頼なので2万円の料金がかかります)ヒアリングでわかったのは前入居者は中年男性で5~6年住んでいた、3ヵ月前に急に遠くに転勤になったからと親族が退去の手続きをしたということであった。

部屋には置き型の芳香剤があり臭気を感じなかったので芳香剤を撤去し換気ししばらく締め切って臭いが沸き立つのを待つ、正直この時点で確信めいたものはあったけど言わないでおいた。

だいたい、いくら急な転勤と言えども別の者が退去の手続きをすることは考えにくい。

臭気チェックをする前に前入居者とは連絡取れるか聞いてみたところ一度も電話したことがないという、意外とずさんな管理をしてるアパートやマンションも多いのです。

入居者台帳の電話番号におそるおそる掛けてみると・・・「お掛けになった電話は・・・」解約されてました。

部屋に戻り入った途端例の臭いを察知、でも確かに微かなもの。

目の前にある部屋のどこかに遺体痕がある!言葉を選びながら担当者に伝える「この部屋人が亡くなってますね」担当者はそんな馬鹿なという顔で飛び上がる仕草をする。

ただ床も壁紙も完全リフォームをされてるので場所の特定はできない、まずは本当に亡くなっての退去だったのか裏を取ってから再度連絡くださいとその場を後にしました。

数日後電話がありやはり前入居者は部屋で亡くなっていた、ただ死後日数は1週間程度で家財の撤去や清掃は遺族側が業者に任せたらしい。

リフォーム前の状況がどうなのかわからないのでリフォーム業者に記録写真があれば出してもらいどんな施工をしたのかヒアリングしてもらった。

リフォームの施工内容はフローリングの貼り換えと壁紙、しかもコストダウンのため壁紙は古い壁紙の上に貼っただけというのが判明した、施工前の写真からおそらく遺体痕はここだろうということも特定できた、担当者はリフォーム屋を責めたようだが異常を察知できなかったことは仕方ないかもしれない、彼らは遺体痕検索のプロじゃないですから。

結局、壁紙をすべて剥がし新しいフローリングも剥がすことになった、結果腐敗体液はフローリング下板に遺漏しさらにその下の断熱材まで汚染していた。

せっかくリフォームした部屋を再度解体する憂き目にあった典型例でした、このような悪質な例は稀ですが技術のない特殊清掃業者に依頼したばかりに遺体痕を残し臭い戻りを起こした例はかなりの数があります。
 

床下に流れ出た遺体痕から発する臭い
床下の木材や断熱材にまで遺体からの腐敗液が漏れ出て汚染していた

部屋での異変を隠蔽したいという心理

特殊清掃依頼で自殺があった部屋の場合その事実を隠してほしいという要望は一定数あります。

ご遺族が(連帯保証人等)が管理会社などに対しての場合が一番多く、なぜか管理会社が大家さんに分からないようにという例もありましたし、遺族も管理会社も周囲にわからないようにという場合もあります。

周囲に分からないようにというのはなんとなく気持ちはわかりますが事実そのものを隠蔽しようとする行為はどちらの立場にたっても看過できるものではありません。

東京都板橋区で自殺、ご遺族から隠蔽依頼
上京して一人暮らしをしていた娘さんが部屋で首つり自殺をしその清掃と家財撤去をしてほしいというものでした。

ここまではごく普通の特殊清掃と遺品整理としての依頼ですが親戚のフリをして退去の手続きも代行してほしいとのこと、退去立ち合いや鍵返還を代行することもあるのでその類かと思いきや娘は急な転勤で海外に行ってしまったことにしてほしいというもの。

ご遺族いわく発見も早く(自殺をほのめかす電話がきて嫌な予感がして飛んできたらしい)すごく汚れてるわけでもない、だから事実は言わなくてもいいという論法です。

当時の状況がどうだったかわかりませんが救急車や警察も来たでしょうし時間帯によってはそのことを知ってる人が周りにいるかもしれない、そんな人の口から「実はあのアパートでね・・・」なんてことが広まったら大変なことになります。

ですから隠蔽せず事実を伝えるべき、隠蔽ありきの退去手続き代行はできないとお断りしました。

その後どうなったかは知りませんがキチンと事実を伝えて手続きを終えたと信じたいものです。

このようにそれぞれの立場での思惑があるようですが絶対に隠蔽はやめたほうがいいと考えます。

また昨今は逆に開き直ってかどうかしりませんが孤独死などがあっても告知さえすれば特殊清掃をしなくていいと思ってる大家さんがいることも驚きです。