片付け業界最新情報

臭いは元から絶たないと絶対消えません

佐々木薫コーナー
2019年08月18日

以前からお付き合いのある、大家さんから空室クリーニング後でも臭いが取れないんだけどどうしたらいい?との電話。
詳しく聞くと前のオーナーから住んでた女性で通算6年住んでいて退去となったので管理会社経由でクリーニングと壁紙貼り換えをやったそうだ、あまり物件を見に行かないけどたまたま行って部屋を見たらすごく臭うというわけではないけどなんとなくイヤな臭いを察知し電話してきたということです。
 

だいたい駆け出し大家のくせに管理会社に丸投げしてるからこうなるんだよ!この手の大家さん多く遠隔地に住んでるならまだしも近くなのに横着かましてるから管理会社の養分になるんです

暇を見繕って部屋を拝見するとそこらじゅうに置いてある芳香剤のせいでわかりません、いったん全部取り除いてまた数日後行ってみると・・・しっかり残留臭がありました、この臭いはペット(猫)のオシッコ臭で間違いない。
 

壁紙も貼り換えてあるしクリーニングもされてるからパッと見た目はキレイなんだけどおそらく床の隙間とかに入り込んだものが臭いを発し続けてるんだと思う、実際床の角のほうからの臭いがきつかったから。
 

遺体痕でもペットの尿でも液体系は隙間に入り込むから厄介です、この手の臭い源は完全に取り除かない限りずっと異臭を放ちます(永遠にです)本来ならこんなの床も剥がして下地まで処理する必要があるレベルです、しかもこの部屋は退去時ゴミ部屋だった可能性もある。
 

臭いだけは発生源を完全除去しないと必ず戻ってしまいます、いつも書いてるようにウ〇コに直接消臭剤かけても臭い消えないですから、遺体痕なんて一滴でも残したら絶対アウト。
 

消臭の基本は発生源を取り除く、です、本当にこれしかありません、残留臭に対しては消臭剤でいいんですけどね、だからゴミ屋敷片付けの際も臭いのついた衣類や布類はできるだけ捨ててもらうのはこのためです、ファブリーズは万能じゃないからね。

部屋の臭いを消す方法

孤独死現場の特殊清掃の手直し作業

臭いの原因を見極められなかった事例

特殊清掃業と言ってもすべての業者が的確な消臭をできるとは限らない例

特殊清掃を他社に依頼したものの臭いが取り切れてなくまた臭ってきたという相談は夏場に多発しました。

床面などの遺体痕を拭っただけで完了としてしまいどこかに漏れ出た腐敗液を処理してなかったかオゾンの燻蒸が不充分だったか、だいたいはその両方です。

東京都北区志茂のマンションオーナーから連絡があり10日前に特殊清掃と家財撤去をやってもらったけどニオイが日に日に強くなるという相談でした。
住んでた人が孤独死され遺族が特殊清掃と家財撤去業者を手配したから具体的な内容はわからない、ただ床や壁の一部を解体したような気配はないし聞かれてもいないということでした。

現場マンションは1DKで遺体痕は部屋の真ん中やや壁寄り、亡くなってたのは布団の上で死後3~4週ということでした、部屋を見てみると遺体痕は黒くそのまま残っていた。

こちらの見立ては以下の通りでした。

・腐敗体液が床下にまで浸透している可能性。
・壁紙が臭い粒子を含んでいる。
・フローリングも一見キレイに見えるが腐敗脂の取り残しがある。
・堆積したホコリもニオイ粒子を含んでいる。


ただ、この後リフォームを予定してるのでできれば消臭費用は抑えたいということでしたので下記のような提案をしてみました。

1.リフォーム施工会社には床は下板まですべて取り換えるよう依頼する。
2.壁紙は完全に剥がす。

この工程の途中でまごのてが遺体痕遺漏チェックと脱臭処理を行う、というものでした。
もちろんリフォーム施工会社にはそのような『事情のある部屋』であることを隠さず伝えないと間違いなく失敗するということを伝えその場を離れました。

数日後このマンションオーナーより連絡があり、できればまごのて側でリフォームまで一貫してできないか?ということです、詳しく話を聞いてみるとオーナーさんのお抱えリフォーム会社の見解としては・・・


早いハナシがやりたくない!もしやるなら通常の3~4倍の料金をほしい

ということでした、実は意外とこのパターンは多く、リフォーム会社側としては知識がないからリスクを抱えたくないということと職人が嫌がるから請けたくないというものが大半です。

結局こちらで完全脱臭を行い、提携リフォーム会社にバトンタッチして完了となりました。

おそらくオーナーさん側では完全な予算オーバーとなってしまったかもしれませんがお金を生む部屋ですからこんな場面でケチっては今後の運営に支障をきたします、せめて保険に入っていればとため息をついてました。

このように孤独死などが発生したいわゆる『事故物件』では先のことを見据えた業者を選ぶ必要があるということです。

 

遺体痕は表面だけ拭っても臭いは消えない

表面を拭っただけで処理を完了させてる事例は意外と多く、まごのてで行う特殊清掃事案の1~2割程度が他社施工後の手直しです。

手直しと言うより特殊清掃を行っていない、と言ってもいいぐらいです。

上記のように表面だけ拭っても臭いは消えません、それどころか遺体痕(腐敗体液や腐敗脂)は床下に浸透したり、広範囲に流れたりしています。

目に見えない腐敗体液の検索から行わなければいけないので、手直し作業は慎重にならざるを得ません、最初から携わっていればだいたいの見当もつきますが、途中からだとかかる手間も増大しますし、結果的に費用も高くついてしまいます。

 

そもそも特殊清掃業者の選び方が間違っている!

実践では何の役にも立たない変な認定資格のせいで、雨後の竹の子の如く特殊清掃や遺品整理業界に新規参入する業者が増加しました。

このような特殊案件は経験でしかスキルの積み上げができません、今まで不用品回収をしていた業者が、昨日まで便利屋だった個人が特殊清掃と掲げていますが経験がないのですから出来るはずがありません。

業者選びの入り口で間違ってしまうと、このように時間とお金のムダということになってしまいます。

特殊清掃業者の選び方やかかる費用などを徹底網羅した専門サイト

 

遺体痕を除去せずに残置撤去依頼

不動産管理会社などから、いわゆる残置物撤去の依頼はよくあります。
その中でも『孤独死現場の残置撤去をお願いします』という依頼も多い、こんな場合は往々にして支払元が遺族ではなく、保証会社や管理会社、大家さん負担であることがほとんど。

単に費用を抑えるのが目的で、どうせリフォームするんだから消臭も特殊清掃なんてしなくていい、という考えが見て取れます。

ですが、これには問題点もはらんでいます、まずいきなりリフォームをしても臭いが完全に消える可能性は極めて少ない、そもそもその状態のまま請け負うリフォーム会社も少ない、あったとしても費用は普通の2~4倍になる可能性もある。

残置撤去を行う業者でも、遺体痕そのまま、異臭そのままではやりたくないのが本音です。
まごのての特殊清掃サイトでも再三書いてますが、まずは一次処理を行い臭いを止めてから次の工程に移るのがモラル的にも本来のやり方です。

経験上、このように残置撤去を先にやったり、特殊清掃や除菌脱臭を行わないままリフォームをした場合は高確率で何らかのトラブルが起きており、きちんと手順を踏んだ作業を行うより結果的に費用と時間がかかってます。